今回は以前に紹介したことがあるハンガリーの首都ブダペストにあるドハー二街のシナゴーグについて書く。皆さんもご存知の様にブダペストは歴史的建築物が素晴らしく残存する美しい街である。そんな中でも異彩を放つのはこのドハーニ街のシナゴーグである。

皆さんもご存知の様にシナゴーグはユダヤ教の礼拝堂で、その土地のユダヤコミュニティーの中心となる。ここブダペストは戦前はハプスブルク帝国の中心都市として栄えたため人口の４人に一人がユダヤ人という時代もあった。そんなブダペストにあるこのシナゴーグは今でもヨーロッパでは最大のもので、世界的にもエルサレム、ニューヨークに次いで三番目に大きいものとなっている。その特徴としては玉ねぎ型の二つのタワーで、最上部まで４３メートルほどもある。

その細工は細やかで、ヴィサンティン＝ムーア様式となっている。では中に入ることにしよう。

高さもあるが実に壮麗なデザインである。キリスト教の教会に比べ実に華やかな美しさがある。まったくもって、豪華な装飾が施されている。

そこには巨大なオルガンがあり、リストもしばしば演奏したといわれている。

自分はこの多色な装飾が大好きだ。カットリックや正教などキリスト教系の教会とは全く違う。

建物の裏に出ると、木立があり、ブダペスト市内観光の休息をとるにはうってつけである。

その横には金属製の柳のようなモニュメントがある。これは、第二次世界大戦中、ホロコーストの犠牲となったユダヤ人追悼のためのモニュメントである。その葉の部分には犠牲者達の氏名が刻印されているそうだ。

旅は楽しい。でも楽しいだけの旅ではなく、国際人として、歴史も理解する旅も我々には必要でしょう。是非、ブダペストを訪ねたら、この素晴らしい美しさのシナゴーグで歴史にも触れてみてください。