ホーチミンの街を歩くと、西洋建築の多さに驚きます。
ベトナムは1000年以上に亘って中国の支配下であったのち、
近代に入ってからは南部からフランスの侵略を受け、長く植民地時代を過ごします。
特にフランスが長く支配下においていた南部では、いまでも当時の文化や建物が色濃く残っています。
東南アジアの空気を感じる青空に、西洋の建築がとても映えるホーチミンの街。
どこを切り取っても絵になる街、ホーチミンを歩いて見つける「アジアのフランス」を少しご紹介します!
まずはホーチミンの観光中にはきっと誰もが訪れる、ドンコイ通りのつきあたりに見える象徴的な「サイゴン大教会」。サイゴン川を背にしてドンコイ通りを進むと、ひらけた場所にその雄大な姿が見えてきます。
こちらの有名な聖母マリア教会(サイゴン大教会)はネオ・ゴシック様式の美しい建物です。
フランス人の建築家Jules Bourardによって設計されました。
教会を挟むようにしてはしる通りの名前は「パリ公社通り」と名付けられています。
そして、その「パリ公社通り」を渡ったところに見えているのが、「サイゴン中央郵便局」です。
観光名所にもなっているサイゴン中央郵便局は、普段は観光客で賑わっていますが
当然実際に郵便局としての機能も果たしています。
こちらの郵便局はパリのエッフェル塔を設計したAlexandre Gustave Eiffelによるデザインです。
荘厳でありながら、涼しげな内装、随所にみられる彫刻などがとても美しいですね。
何気ない椅子や棚などの備品も一部当時のまま使用されているので、パリの蚤の市で見かけるような可愛らしいものを見つけることができますよ。
夏は涼しく冬は厳しい寒さのフランスと、
ほぼ年中熱帯の気温で湿度も高いベトナム。
設計にはいくつもの苦労があったことでしょう。
大きな開口部があったり、風の抜け道が設計されていたり
暑さへの対策を見つけて、感心してしまいました。
人民委員会庁舎はフレンチ・コロニアル調の建築物です。
残念なが中に立ち入ることはできませんが
ベトナムらしいすこし重い色の青空に美しいコロニアル調の建物の外観は、
写真スポットとしても大人気です。
まさに王宮のような作りで建物の主要部にある美しいバルコニーの彫刻、
庭から建物まできっちりシンメトリーのデザインはこれぞコロニアル!といった
とまあ、有名建築物を主としてフランス植民地時代の名残をたくさん感じることができます。
このように目抜き通りではない民家街にもヨーロピアンな建物が多く残っています。もちろん気候が大きく違うので、ベトナムでの建物は風邪の通り道が設けられていたり、出入り口や窓が奥まっていて日光を避ける工夫が見られるのも興味深いですね。
特に民家では南フランスのようにパステルカラーが色あせたような門構えが可愛らしいです。
ホーチミンの街角で見つかる小さなフランス、
街歩きの時の楽しみのひとつにしてみてはいかがでしょうか。
そしてもっと田舎へ行くと、古い中国の映画のような街並みが広がっています。
それはまた今度のお話に。
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