Tonga Whale Swim 2015 親子クジラと一緒に泳ぐには?Part1

8 - コピークジラの親子と自分撮り

「クジラは基本的に臆病な生き物、だからクジラの親子と一緒に泳ぎたいなら人間に慣らさなくてはいけないよ」

9月末で毎年夏に開催しているスペシャルトリップ「Tonga Whale Swim2015」が終了し、今は日本に帰ってきています。この言葉は、私の師匠であり、スペシャルトリップの主催者でもあり、写真家である越智さんより前々から言われていたことなので、常に意識はしていましたが、今回はその“クジラを慣らす”という作業をしなくてはいけなくなった日の、クジラの親子にどうやって近づいたのかの、お話したいと思います。

今夏、トンガではホエールスイムのガイドとして活動していました。

トンガについては前回の記事をご覧くださいね。https://my-edition.net/archives/4057

ホエールスイムのガイドは、船のスキッパー(キャプテン)や現地ガイドとゲスト、ゲストとクジラを繋ぐ大切な役目。ガイドの腕や指示次第で、クジラと長く泳げるか、逃がすか、はたまた他の船から「あの船のガイドはゲストにどんな指示を出しているんだ」と嫌がられる時だってあります。

_1140547日によって異なりますが、この写真を撮った日のメンバーは、スキッパーはナティ(右)、メインガイドは越智さん(中)と現地ガイドのウィリアム(奥)。大海原から皆でクジラを見つけます

前日には、Northbayというところでクジラの親子と長く泳いでいたので、今日もまだその親子が留まっているかもしれないと、他の船がすでにNorthbayへは向かっているとの連絡はもらっていたので、そちらへは行かず私たちは外洋に出てクジラを探そうと相談していました。

ですが、外洋に出る手前でブローを発見。近づいてみると親子だということがわかりました!ただ、この親子、私たちの船は今日一番に見つけたということもあって、船や人間には慣れていません。

一緒に泳ぐためには、クジラに人間という存在に慣れてもらわなくてはならず、その際、何よりも優先すべきは、クジラを驚かさないこと、むやみに近づかないこと。最初のアプローチを失敗すると、驚いて逃げて行ってしまうことは大いにあり得るからです。 一番始めだけは、この日、現地ガイドとして乗船していたアルが一緒に入水しましたが、2回目のアプローチからは私がガイドとして入らせてもらいました。ここでクジラを逃がしてしまうことだけは、絶対に避けなければいけなかったのですが、個体識別をするためにも、母親の側面だけを双方向から急いで撮影しました。

8.21P1460155hこちらがその親子

その後は撮影をするのをやめて、母親と子供を観察。子供はかなり臆病で、母親の後ろに常に隠れていて、こちらからはあまり姿が確認できません。息継ぎの為に数回水面に上がってきましたが、その時も私たちからは離れた場所に上がって、母親の後ろ側にまた戻って行きました。この時、距離にしておよそ15m弱でしたが、母親の警戒心はかなり強く、子供を連れて移動してしまいました。

8.21P1460379h

同じことを数回繰り返し、4回目の入水くらいの時。やっと10mくらいまで近づけるようになりましたが、子供はまだ警戒していてなかなかこちらには寄ってはきません。顔をあげると船で見守っていてくれた越智さんが「もう少し近づける?」と言っているのが聞こえてきたので、7mくらいまでゆっくり近づいてみました。もちろん、母親の目をみてゆっくりゆっくり。近寄ってみて分かったのですが、母親はほとんど目をつぶっていました。心の中で「こんにちは~、近づいていいですか~」と思いながら近づいて行くと、母親の目がパチッ!

8.11P1450313h※この写真は別の日に撮影したものです

いきなり目が合ったのでちょっとドキッとしましたが、ドキッとしたのはどうやらむこうのようで、エンジンを入れ急発進した車のごとく、テールを2~3回びゅんびゅんと動かすと急発進して、斜め下、水深の深いところへ潜っていってしまいました。目を開けたときに得体のしれない生物(人間)がいたのに驚いたのか、それとも近づきすぎてしまったのかわかりませんが、とにかく相当ビックリしていた様子で、なんと子供を置き去りにして去ってしまったのです(笑)

不意打ちのようにして急発進した母親を見て、「え、え、ママどうしたの?ちょっと待って~!」と言った感じで子クジラは慌てて追いかけていきました。数秒後、100mくらい先で母親が特大ブリーチ。

「あまり驚かさないでね、逃げちゃうわよ」と言われているようでした。

8.13_1140146h

Part2に続きます。

 

KAORUKO

KAORUKO INOU

Underwater Reporter

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