藍を育て藍に染まる

東京で作業をしていた際、湘南で少し波が上がったので、鵠沼にある藍染工房Litmusのメンバーとサーフィンをした後、彼らの工房にお邪魔させていただきました。

海岸へ通じる県道沿いの古い家屋を改造して作られた工房内には黒ずんだ液体が満ちた桶が並び、独特のしかし刺激の無い匂いに満ちています。人類最古の染料と考えられている藍を使い、江戸時代を中心に行われていた伝統染色方法、天然藍灰汁醗酵建(てんねんあいあくはっこうだて)と呼ばれる方法で彼らは様々な物を藍で染めています。

DSC00828   DSC00838

醗酵建

簡単に染めの工程を説明しますと畑で藍の葉を収穫し、それを醗酵させ藍染に必要な色素”インジゴ”を作ります。それは”すくも”と呼ばれそれを桶に約1週間ほど日本酒や灰と共に寝かし、色を液体状にしていきます。そしてその液体に布地を浸し、引き上げ、水に流し、布地が空気と触れ合うことにより青色を発し、布地に付着します。少し化学的に書くと、水に溶けない青の染料”すくも”を醗酵により液体に還元し布地が浸かれる状態にし、繊維を液体に浸し、繊維内に染み込んだ色素を酸素と反応させ、また水に溶けない形に戻す工程です。DSC00831  DSC00836

すくも

その工程の回数と時間により色の濃さが決定され、濃いものを作り出すには非常に時間と労力が費やされます。この手法は繊維に藍の色素を結合させ青色を発色している為、染め上がった布地は独特のテクスチャーがあります。生地の繊維を強化し、さらに藍の持つ成分は虫除け、アンチバクテリアによる消臭効果があると言われ、19世紀前半に中国から伝わって以降に身分の高いもの、侍、そして後に一般農民階級にまで普及しました。

DSC00847  DSC00860

日本ではその藍をベースに48色もの色を使い分けるようになりました。そしてそれらの使用頻度は北斎や広重の浮世絵の中にも顕著に記されています。また浅草のスカイツリーの色も藍白と言われる藍をベースにした色が使われています。はるばる大陸を旅して、日本を代表する色となった藍色。日本文化のカラーパレットは藍が作り出したと言っても過言では無いでしょう。

時には絶対的な存在感があり、時には影のようにでしゃばらず、そして限りなく白く天の彼方に溶け込んでいく藍色。海から上がった後、そんな色の行き先を考えさせられる工房見学でした。

DSC00842

field

藍畑(写真・松井裕二)

DSC00878藍に染まった紙の繊維

DSC00894  DSC00887  DSC00895

工房

DSC01384DSC01378

展示会:http://www.kumazawa.jp/mokichi/okeba/

2016Litmus_SOGO_DM_HP-1024x642

展示会情報:07/19 – 08/01 : SOGO横浜

 

LITMUSへのお問い合わせ:

http://litmus.jp

NOBORU

NOBORU AKIYOSHI

UI/UX Designer

More stories from this editor


アメリカ/カリフォルニア随一のビーチタウン、サンタモニカ

2020/12/12 537

アメリカ、カリフォルニア州、別名ゴールデンステイトは、有名なビーチが目白押しの州です。 サンタモニカ、ベニスビーチ、ロングビーチ、マリブ、サンタバーバラ、サンディエゴ、モントレーなどなど、ハワイに劣らないほど数々のビーチ Read More

お洒落で美味しいソムタム専門店@Bangkok

2020/12/5 910

プーケットからバンコクへ戻って、タイ最終日はバンコクに居るお友達に会いにスクンビットエリアへ。近くに美味しいソムタム専門店があるという事でBaan Somtum Sukhumvit ソムタムって青パパイヤのサラダじゃない Read More

アメリカ/グルメの街ポートランド

2020/11/30 448

本日は、アメリカ オレゴン州最大の街ポートランドの魅力をご紹介します! オレゴン州は、カリフォルニアとワシントン州に挟まれた西岸部の州で、中でもポートランドは、他の大都市と比べると小さめの規模ですが、オレゴンの大自然の中 Read More

アメリカ一のパーティースポット、ラスベガス

2020/11/19 624

本日はアメリカ一のパーティースポット、ラスベガスでの楽しみ方をご紹介します。 ラスベガスはカリフォルニアとアリゾナの間にある、ネバダ州に位置します。 日本からは、ロサンゼルス国際空港経由で行くことが出来ます。 アメリカき Read More